相続のご相談で、最初に聞かれることの第1位。
それは、「税金は、いくらかかりますか?」です。
とても自然な質問です。でも、この質問には、すぐに金額で答えることができません。
今日は、その理由と、私がどうお答えしているかをお話しします。
「税金いくら?」の裏にある、本当の不安
「相続税はいくら?」と聞かれる時、その奥には、こんな不安が隠れていることがほとんどです。
・引き継ぐ資産が、税金でマイナスになるのではないか
・足りない分を、自分の貯金から払うことになるのではないか
「相続」と聞くと、漠然と「お金がかかる」「大変なことになる」というイメージが先行します。
その不安、とてもよく分かります。
でも実際は、まず「全体像」を知ることで、その不安の多くは小さくなります。
そもそも、いきなり税額は計算できない
相続税は、資産の「全体像」が分からなければ、計算のしようがありません。
そして、多くの方の資産には、不動産が含まれています。
この不動産が、くせ者です。
「うちの土地、いくらの価値があるんだろう」
「実家を売ったら、いくらになるんだろう」
ここが曖昧なまま、「相続税が怖い」と不安になっている方が、本当に多いのです。
つまり、不動産の価値が見えていないことが、不安の正体だったりします。
だから私は、まず「見える化」します
そこで私は、税金の話をする前に、資産を「見える化」することから始めます。
具体的には、こうです。
- 資産の内訳を、大まかにヒアリング
- 不動産の一覧表を作成
- 実勢価格(実際に売ったらいくらか)を簡易査定
文章だけだと分かりにくいので、簡単な例をお見せします。
| 不動産 | 現況 | 相続税評価額 | 実勢価格 |
|---|---|---|---|
| 自宅 | 居住中 | 約2,500万円 | 約3,000万円 |
| 畑 | 市街化農地 | 約2,000万円 | 約3,800万円 |
| アパート | 賃貸中 | 約2,180万円 | 約3,500万円 |
| 駐車場 | 賃貸中 | 約830万円 | 約1,500万円 |
※これはサンプルです。実際の一覧表では、利用区分毎に固定資産税評価額や借地権割合、債務(抵当権など)といった、税理士が精査するための項目も整理します。ここで注目してほしいのが、「相続税評価額」と「実勢価格」の違いです。
税金の計算に使う評価額と、実際に売ったときの価格は、大きく異なることがあります。
この差が見えるだけで、「自分の資産が、本当はどのくらいの価値なのか」がはっきりします。
「基礎控除」を知るだけで、不安が消えることも
資産の全体像が見えたら、次に知っていただきたいのが「基礎控除」です。
相続税には、「ここまでは課税されません」という非課税の枠があります。これを基礎控除と呼びます。
計算式は、こうです。
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
たとえば、相続人が3人なら、3,000万円+1,800万円=4,800万円。
つまり、資産の総額がこの基礎控除の範囲内であれば、そもそも相続税はかからない、ということです。
見える化した資産の全体像と、この基礎控除を照らし合わせるだけで、「うちは課税対象なのか、そうでないのか」の見当がついてきます。
実際、ここまで整理した段階で「それなら、税理士さんに依頼する必要はなさそうですね」と、ご自身で判断される方もいらっしゃいます。
見える化は、専門家への橋渡しにもなる
もちろん、資産が基礎控除を超えていたり、複雑なケースだったりする場合は、税理士による精査が必要です。
その時も、見える化した一覧表が役立ちます。
整理されたデータがあれば、税理士はスムーズに精査に入れます。これは、依頼費用を抑えることにもつながります。
私は、相続不動産の「街のかかりつけ医」として、まず全体像を整理し、必要なときに、適切な専門家へ橋渡しします。
「いきなり税理士に相談するのは、ハードルが高い」
そう感じる方の、最初の窓口でありたいと思っています。
「税金いくら?」の不安は、見える化で小さくなる
「相続税はいくら?」
この質問に、私はすぐ金額では答えません。
代わりに、資産を見える化し、全体像をお見せします。
すると、多くの方が、こうおっしゃいます。
「漠然とした不安が、減りました」
不安の正体は、「分からないこと」そのものだったりします。
見えれば、落ち着いて考えられる。次の一手も見えてくる。
それが、見える化の力です。
「相続税がいくらかかるか分からなくて、不安」
そんな方は、まず資産の見える化から始めてみませんか。
金額を計算する前に、全体像を整理するだけで、見えてくるものがあります。
まずは、お気軽にご相談ください。
